AIと暗号資産Botを4つ組んでみた|調査・監視・模擬売買でできたこと

調査・監視・模擬売買の開発を表したイメージイラスト 基礎知識・手順

エアドロの情報を集め、相場を見て、条件を比べる。これを毎回手作業でやるのは、意外と時間がかかります。そこで私たちは、AIと一緒に調査ツールやBotを組んできました。

この記事では、そのうち4つを紹介します。何を入力し、何が返ってくるのか。コードでできていることと、まだ実証できていないことを分けて整理しました。「Botを作った」と「Botで利益が出た」は別です。今回は開発とテストの記録で、収益報告ではありません。

確認日:2026年9月10日(日本時間)。ローカルの実装・既存テストを確認。本番での継続稼働、実約定、累積収益は今回の確認対象に含めていません。

組んだ4つのツールと役割

ツール 何をするか 今回確認した範囲
Neo Airdrop Analyst 調査材料をスコアと仮定別の試算に整理 コード確認・4件のテスト合格
HYPE Distortion Scanner 相場全体とのずれや板の偏りを観察 コード確認。今回ライブ取得は未実行
HL Prediction Arb Scanner 価格差の確認候補を抽出 コード確認。対象市場の現行対応は未検証
HYPE売買Bot シグナルに応じた処理と模擬売買を記録 鍵なしシャドー検証8件合格

この一覧はおすすめ銘柄や参加案件のランキングではありません。調査、監視、模擬検証という、作業の役割で分けています。

1.Neo Airdrop Analyst:調査の抜けを見つける

最初は、エアドロ候補の情報を同じ形で整理するツールです。資金調達、TVL、参加者数、運営、参加条件、リスクなどを入力すると、5つの軸で評価し、レポートを出します。TVLはプロトコルに預けられている資産の規模を示す指標です。

使いどころは、SNSで気になる案件を見つけた後です。名前だけをメモして終わる代わりに、公式情報、数字の根拠、調べきれていない点を残します。ブラウザの作業台には、活動ログやチェックリストを管理する仕組みもあります。

ただし、入力した内容が正しいかまで自動で保証する仕組みではありません。コード上の信頼度補正は、所定の種類の根拠が登録されているかを数えるものです。リンクや確認済みの印があっても、その説明が正しいとは限りません。出典本文との照合は別に必要です。

将来のトークン評価額などを仮定した報酬シミュレーションもありますが、それは予測値や受取予定額ではありません。仮定を変えれば結果も変わります。私たちは、表示スコアを「配布される確率」と読み替えないことが大切だと考えています。

今回の確認では、出力項目、リスクオフ補正、シミュレーションの計算、資金配分の出力に関する既存テスト4件が通りました。サンプル入力によるテストであり、実案件の選別精度を測った結果ではありません。

2.HYPE Distortion Scanner:値動きのずれを見る

こちらは、HYPEの動きをBTC・ETH・SOLなどの価格変化と比べるスキャナーです。価格だけでなく、出来高、買い注文と売り注文の偏り、指定金額を取引した場合の板への影響を計算する処理があります。

たとえばHYPEだけが大きく動いているとき、相場全体と連動した動きなのか、相対的に目立つ動きなのかを調べる入口になります。出力は「ここを見直したい」という監視候補です。

板とは、取引所に並んでいる注文の一覧です。表示されている注文は取り消されることもあり、計算時点の板で見積もった価格で必ず売買できるわけではありません。コードには自動発注処理はなく、今回も発注はしていません。現行APIでの取得成功や、監視シグナルの有効性はこの記事では実証していません。

3.HL Prediction Arb Scanner:価格差と実行可能性を分ける

3つ目は、二択市場の価格のずれや、手動で対応付けた他市場との価格差を調べる試作スキャナーです。コードには、一定の費用・価格ずれの余裕を差し引いて候補を表示する処理があります。

ここで詰まりやすいのは、数字の差が見つかっても、その差を利益に変えられるとは限らないことです。対応付けた市場の決着条件が違う、注文量が足りない、片側しか取引できない、といった問題は別に確認する必要があります。費用の余裕も設定値であり、実際にかかった費用ではありません。

Hyperliquidの公式API資料では、allMidsは板が空の場合、最終取引価格を代わりに使うと説明されています。したがって、取得した価格をそのまま「今売買できる価格」とは扱えません。出典:Hyperliquid公式 Info endpoint

このツールは、想定した銘柄形式の市場が現在使えるかも含めて追加検証が必要な段階です。コードの存在を、稼働実績や裁定機会の存在と混同しないようにしています。利用地域や各サービスの条件を確認せず参加するための案内でもありません。

4.HYPE売買Bot:まず鍵なしで挙動を試す

売買Botも組んでいます。TradingViewからのシグナルを受け、判断と記録を行う構成です。今回は実注文を動かさず、シャドーモードを確認しました。シャドーとは、資金を動かさずに売買した想定の状態を記録するモードです。

このモードでは、口座や秘密鍵を読み込まず、署名用SDKも使わない設計になっています。今回のテストは価格取得も差し替えた模擬環境で実行しました。実際の価格配信を長期間観測したフォワードテストとは異なります。

確認したのは、同じシグナルを二重処理しないこと、古いシグナルを拒否すること、利確後の再エントリーを抑止すること、模擬損切りと状態保存などです。既存のシャドー検証8件が通りました。依存ライブラリの非推奨警告は出ていますが、テスト失敗はありませんでした。

それでも、儲かるBotが完成したとは言えません。現在の模擬価格では手数料、スリッページ、実際の約定を再現していません。価格が中値で動く想定と、実際に注文が通る結果には差があります。今回確認できたのは、限られたテスト条件でプログラムが想定どおりに処理することです。

調査ツール4件、HYPE Bot8件のテスト合格。継続稼働・実約定・収益は未検証。
今回の確認範囲をまとめた図。実際のアプリ画面ではありません。

作って分かったこと:自動化するほど、記録の区別が大事

4つを並べてみると、調査の整理、観察、判断ロジックの確認は、それぞれ別の仕事だと分かります。スコアが出た、価格差が見えた、テストが通った。この3つのどれも、そのまま収益の証拠にはなりません。

今後の検証では、データを取った日時と出典、使った仮定、見送りの理由、発生した費用を分けて残す必要があります。動かした期間や確認範囲も記録しないと、後から結果を振り返れません。これはBotに限らず、手作業のエアドロ活動でも同じです。

自分で作り始めるなら、まず「調べた内容を保存する」「未確認の項目を出す」程度の小さな道具から考えると、必要な機能が見えやすくなります。今回の記事は公開配布や導入サポートの案内ではなく、私たちの開発記録です。実装や成果を追加で検証できたら、同じ記事に続報を追記します。

関連する実践ログ

検証方法:各ツールのREADME・実装を照合し、Neo Airdrop AnalystとHYPE売買Botの既存ローカルテストを実行。外部仕様は上記のHyperliquid公式資料を2026年9月10日に確認しました。秘密情報、個人の口座情報、サーバー接続情報は掲載していません。

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